皆
さん、小説家の瀬尾まいこさんをご存じですか?
瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」が2019年本屋大賞にノミネートされ、私はとっても喜んでいます 🙂
なぜかと言うと、瀬尾まいこさんは中学校の教師をしながら小説を書いて来られた方なんです。
実は私も中学教師をしていたので、勝手に親近感を覚えてます。
瀬尾まいこさんの作品を読むと、私も中学生達との葛藤の日々を思い出し、それらがとても愛おしく感じられます。
今回はそんな瀬尾まいこさんについてお伝えしていきます。
「そして、バトンは渡された」のあらすじについては、こちらをご覧ください。
昨年の本屋大賞作品「かがみの孤城」と作者、辻村深月さんについては、こちらをご覧ください。
【追記】
瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」が2019年本屋大賞に選ばれました!
おめでとうございます!
瀬尾まいこの生い立ち
まず、瀬尾まいこさんの生い立ちについて見てみたいと思います。
瀬尾まいこさんは1974年、大阪府に生まれました。
現在45歳です。
本名は瀬尾麻衣子さんです。
瀬尾まいこさんはご両親の愛を受けて育ち、本の好きな子供でしたが、ある時から家庭の状況が大きく変化したようです。
その後は父親のいない家庭で育ちました。
瀬尾まいこさんの小説「卵の緒」と一緒に収録されている「7’s blood」に出てくる家庭にも父親がいません。
瀬尾まいこさんは、自分の作品はどれも体験の中から生まれてくると言われていますが、小説の中の家庭状況も、瀬尾まいこさんの生い立ちと大きく関わっているのかも知れませんね。
また中学生が大好きで、中学校の教師をされていた瀬尾まいこさんですが、ご自身の中学時代はあまり楽しいものではなかったそうです。
それでその頃から、将来は教師になり、子供達が楽しい中学時代を送れるようにしたいと思っていました。
ものを書くことも時々やっておられたそうです。
そして大学は大谷女子大学文学部(現在の大阪大谷大学)に進まれます。
瀬尾まいこの経歴について
それでは瀬尾まいこさんの経歴について見ていきましょう。
瀬尾まいこさんは大学を卒業された後、中学校の国語の先生になられますが、なかなか採用試験に合格することができずに、9年間、講師として務めます。
9年間も採用試験を受け続けるなんて、瀬尾まいこさんはどうしても中学校の教師になりたかったのですね。
講師をされていた2001年、「卵の緒」で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞されます。
瀬尾まいこさんが26歳の時です。
教員をしながら小説を書くなんてすごいですよね。
ご自身は、ちょうど学校が異動になって一人暮らしを始め、時間的に余裕ができたと言われていますけど、それだけで小説書ける訳ないですしね。
それに採用試験の勉強もあるのに。
私も学校現場にいたので、講師の先生達がどんなに大変かよく分かります。
講師と言っても、学校では同じ先生。
担任もさせられるし、部活も担当させられます。
忙しくて、自分の試験の勉強なんてする余裕ないんです。
生徒のために一生懸命にがんばる人程、時間がなくて採用試験に通らないという悪循環です・・・。
でもそんな人は教師としての実力は高いんですよね。
瀬尾まいこさんもきっとそんな先生だったのだと思います。
2005年、瀬尾さんはやっとのことで採用試験に合格し、4月、京都の京丹後市立久美浜中学校に赴任されます。
30歳の時でした。
同じ年に「幸福な食卓」で第26回吉川英治文学新人賞を受賞しておられるから驚きです。
2008年には「戸村飯店 青春100連発」で坪田譲治文学賞を受賞。
2010年、相楽東部広域連合立和束中学校に転勤されました。
そんなふうにがんばっておられた瀬尾まいこさんですが、35歳の時、病気に襲われ、2011年、退職を余儀なくされます。
やっとつかんだ夢だったのに、さぞ悔しかったことでしょうね。
その後、自分は子供を産めないかも知れないけど子供達と関わる仕事がしたいと、2年間一生懸命に勉強して保育士の免許を取得されました。
そんな中、2013年には咲くやこの花賞文芸その他部門を受賞。
その後結婚され、そしてほとんど諦めていたのに出産されます。
また「花曇りの向こう」という瀬尾まいこさんの短編が中学1年の国語の教科書に掲載されるんです。
それを知って、何か感動しました。
大好きな中学生の教科書にご自分の文章が載るなんて、瀬尾さんもさぞ喜ばれたでしょうね。
2018年、「そして、バトンは渡された」で第31回山本周五郎賞候補に。
そして2019年、同作が第16回本屋大賞にノミネートされました。
結婚と夫と家族について
瀬尾まいこさんの結婚や夫や子供についても調べました。
結婚についての詳しい情報は見つけることができませんでしたが、瀬尾まいこさんは退職をされた2011年以降に結婚されたのではないかと思われます。
瀬尾まいこさんの夫はとてものんきな方のようです。
多分のんきなだけではなくて、とても優しい方なのだろうと思います。
きっと、瀬尾まいこさんがご病気の時も、優しく包んでくださったのでしょうね。
それに、瀬尾まいこさんの生き方に共感し、応援しておられる夫なのだろうと思います。
瀬尾まいこさんは今までの人生の中で、人を見る目をすごく養って来られた方だと思いますので、瀬尾さんが選んだ夫は本当に温かい方なのではないでしょうか。
瀬尾まいこさんと夫の間には子供さんが一人おられます。
3歳になる女の子供さんです。
とてもやんちゃな子供さんで、瀬尾まいこさんは毎日手を焼いているそうです。
うちの子供が3歳だった時も、一時もじっとすることがない子供だったので、本当に大変でした(汗)
でも、大変だけど幸せな子育ての時期はあっという間に過ぎ去るので、瀬尾さんにも今を大切にがんばって欲しいと思います。
瀬尾まいこさんの作品は出会った人達やご自分の体験から生まれていきますので、前は中学生が登場するお話が多かったですが、今は子供や家族の物語が中心になっています。
どちらも、そこに瀬尾まいこさんの人を見る温かいまなざしが感じられます。
最後に
今回は、2019年本屋大賞にノミネートされた瀬尾まいこさんについてお伝えしてきました。
いかがでしたか?
瀬尾まいこさんはこう語っておられます。
私は、暗い感情や悲しい出来事を書くよりかは、読んだ人がちょっとでもいい気持ちになれるような作品を書きたい。
特に、何かと難しい年頃のように思われがちな中学生というのは、とっても素敵な存在なんだということを、声を大にして言いたいですね。
引用元
作家インタビュー 人との出会いが作品になっていく第7回大賞受賞、瀬尾まいこさん作家インタビュー 人との出会いが作品になっていく 第7回大賞受賞、瀬尾まいこさん 人との関係も目の前を過ぎゆく時間も、目に見えなくて捉えようがなく、だからかけが …
ほんっとに私もそう思います。
瀬尾まいこさんもご自分が出会われたやんちゃな中学生を小説のモデルにされていますが、私もそういう中学生達にたくさん出会い、そしてその子達から大切なものを教えてもらいました。
人は見かけじゃない!
荒れて周りを困らせる子は心の中に大きな寂しさを抱え、「自分を見て!」と叫んでいること。
乱暴な言動で突っ張っている子が隣の友達にどこまでも優しいこと。
あの子達と出会わなかったら分からなかったことです。
みんな知って!
学校の先生達も、親たちも。
瀬尾さんの作品を読むと、私のあの激動の時代が懐かしく思い出されます。
皆さん、ぜひ瀬尾まいこさんの作品に触れてみてください。