皆
さん、こんにちは。
「君たちはどう生きるか」は発売から半年で、漫画版と新装版を合わせて210万部という爆発的なヒットとなり、その勢いはいまだに衰えません。
吉野源三郎さん著のこの本は私が中学生の頃も図書館にあり、私も中学1年生の時に読みました。
さて、「君たちはどう生きるか」の読書感想文を書こうとしている小学生や中学生または高校生の皆さんも多いことだと思います。
今回は、そんな小学生や中学生、高校生の皆さんのために、「君たちはどう生きるか」の読書感想文の書き方を、内容の要点から整理して解説したいと思います。
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「君たちはどう生きるか」の読書感想文の書き方について
まず、「君たちはどう生きるか」の読書感想文の書き方について、6つのポイントを簡単に解説したいと思います。
この本を選んだ理由を書こう
まず、今回読書感想文を書くにあたって、どうして「君たちはどう生きるか」を選んだのかを簡単に書きましょう。
タイトルに興味を持ったとか、話題になっているからとか、親に勧められたなど、正直に書けばいいと思います。
もしかしたら学校から「君たちはどう生きるか」を指定されたという人もいるかも知れません。
その場合は選んだ理由は書かなくてもいいと思いますが、「学校から指定されて読んでみたが、この本に出会って本当によかった。」というようなことを冒頭に書いてもいいかも知れませんね。
あらすじを書きすぎない
よく、あらすじを詳しく書く人がいますが、それだったら読書感想文ではなくなってしまいます。
自分が感動したことや考えたことを書くのに必要な程度の内容を要約して書きましょう。
最初にあらすじをまとめて書かなくても、自分の言いたいことに沿って分散して書いていってもいいです。
読書メモを作ろう
読み進めながら、簡単なメモをしていきましょう。
その部分をよんで考えたことや思い出したことなど、きちんとした文章になっていなくていいので、その都度書き留めておきましょう。
付箋紙にメモをして、そのページに貼っていくと、あとで文章をまとめる時に便利です。
あるいは、カード(ただの紙でいいのですが)にメモしておくと、後で文章の構成に応じて自由に入れ替えることができるので、こちらもおすすめです。
これは読書感想文を書く時だけでなく、高校生や大学生あるいは大人になってレポートや論文を書く時にも役立ちます。
自分の体験と重ねて書こう
自分の体験と重ねるということは最も大切なことです。
その人のものの見方、考え方、感じ方は、それまでのその人の経験によって作られています。
ですから同じ文章を読んでも、様々な捉え方があり、個性ある感動文になるのです。
「君たちはどう生きるか」を読んで、あなたはどこに一番強く心を動かされましたか?
それはどうしてですか?
もしかしたら似たような体験があったのかも知れません。
大きな体験でなくても、ささいなことでいいのです。
自分の体験を書きましょう。
要点がいくつかあったとしても、同じ比重で書かないで、自分の体験と重なるところの割合を大きくしましょう。
そうすることで、他の人のとは違うあなただけの読書感想文になります。
一番心に残った言葉を書こう
「君たちはどう生きるか」には叔父さんが書いたノートの文章がたくさんありますが、一番あなたの心に残った言葉はどれでしょうか?
どれも大事な言葉ですが、あれもこれもと書きすぎると焦点が鈍ってしまいますから、一番心に残った、これからも覚えておきたい言葉を選びましょう。
読む前と読んだ後の自分の変化を書こう
「君たちはどう生きるか」の著者はこれを一番求めているのではないでしょうか。
「君たちはどう生きるか」を読む前と読んだ後、あなたの心や行動に何か変化はありますか?
これも立派なことを書こうとしなくてもいいです。
物を見て、これがここにくるまで、いろんな人が関わったんだなあと思うようになった人もいるかも知れないし、友達を見る時、みんな家に帰ったらそれぞれ違うくらしがあるんだなあと思うようになった人もいるかも知れません。
あるいは、今まで人の言うことに、ただ「うん、うん」と相づちを打つだけだったけど、ちょっと考えるようになったり、あるいは自分の思ったことを口に出したりするようになった人もいるかも知れません。
最終的には、自分はどう生きるのか、何を大切にしていきたいのか、それを考えて欲しいのです。
そしてそれはずっと先の将来のことではなく、今日や明日どう生きるかということなのです。
「君たちはどう生きるか」の内容の要点を整理!
小学生や中学生の皆さんのほとんどは、学校の宿題だから読書感想文を書こうとしているのだと思います。
でも、本当に大事なことは読書感想文を書くことではなく、あなたが心を動かす書物に出会い、それをこれからの人生の糧にすることなのです。
心を動かされ、深く考えさせられ、結果として自分の感動や考えを残したくて読書感想文を書く、これが本来の姿だと思います。
ですから、まずはその本を、今回は「君たちはどう生きるか」を自分でしっかりと読み、そこに何が書いてあるのか、内容の要点を整理することがまずは大切です。
しかし「君たちはどう生きるか」の場合は、内容の要点が整理しやすくなっています。
なぜなら、コペル君が遭遇した出来事の後に、叔父さんのノートがあり、そこに作者が伝えたい大事なことが書いてあるからです。
それでは、順を追って内容の要点を整理していきましょう。
ものの見方について
コペル君は学校で、分子とは物質を構成する最小単位のことだと習いますが、分子という目で見えないものが存在することに不思議さを覚えます。
そして「人間は世の中をつくっている分子なのだ。」という考えに至ります。
それについて、叔父さんは「ものの見方が天動説から地動説に(自分中心から客観的に)変わったようなものだ。」と言います。
自分たちの地球が宇宙の中心だという考えにかじりついていた間、人類には宇宙の本当のことがわからなかったと同様に、自分ばかりを中心にして、物事を判断してゆくと、世の中の本当のことも、ついに知ることができないでしまう。
大きな真理は、そういう人の目には、決してうつらないのだ。
真実の経験について
コペル君のクラスに浦川君という子がいました。
浦川君は気の弱そうな子です。
浦川君の弁当のおかずが毎日あぶらあげなので、いじめっ子の山口君から「あぶらあげ」と呼ばれたり、いろいろといじめを受けたりしていたのですが、周りは自分がいじめの対象にされたくなくて何も言えませんでした。
でもコペル君の友達、ガッチンは我慢できなくなり、山口君とけんかになります。
周りもこの時とばかりガッチンに加勢しようとします。
しかし山口君がやられそうになった時に止めに入ったのは、何と浦川君だったのです。
浦川君は一方的にやられるのがどれだけいやか想像し、勇気を出して周りの流れに逆らったのでした。
コペル君はこんな浦川君に対して尊敬の気持ちを抱きます。
このことを聞いた叔父さんは、コペル君のお父さんが亡くなる前に「私はあれに、立派な男になってもらいたいと思うよ。人間として立派なものにだね。」と言われたことを明かします。
そしてノートにこう記します。
常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけ、ということなんだが、このことは、コペル君!本当に大切なことなんだよ。ここにゴマ化しがあったら、どんなに偉そうなことを考えたり、言ったりしても、みんな嘘になってしまうんだ。
人間の結びつきについて
ある時、コペル君は台所にあった粉ミルクの缶から想像を膨らまし、この粉ミルクがここに来るまでに、世界中の会ったこともない多くの人々がつながっていることを発見し、それを「人間分子の関係、網目の法則」と名付けます。
叔父さんは、実はそれは既に知られていることで、「生産関係」と呼ばれるものだと教えてくれます。
そしてそこから発展し、本当に人間らしい関係とはどういうものかをコペル君に問いかけます。
人間が人間同士、お互いに、好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことは、ほかにありはしない。そして、それが本当に人間らしい人間関係だと、コペル君、君はそう思わないかしら。
人間であるからには
ある日、コペル君は学校を休んでいる浦川君の家を訪ねます。
そこで見たものは赤ん坊を背負って油揚げを揚げている浦川君の姿でした。
浦川君の家は豆腐屋で、お父さんはお金の工面のために遠い故郷まで行っているところでした。
浦川君の家で勉強をしている時、浦川君が字をつめてノートを書くのは、簡単に新しいノートが買えないからだと知ります。(この場面は原作にはありません。)
自分とは違う環境にいる浦川君のくらしや頑張りを知り、コペル君は「誰も浦川君をばかにできる奴なんていない!浦川君は本当にすごい!」と思うのでした。
叔父さんのノートにはこんな一文があります。
浦川君の洋服に油揚のにおいがしみこんでいることは、浦川君の誇りにはなっても、決して恥になることじゃあない。
人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて
コペル君は叔父さんからナポレオンの話を聞き、心が大きくなって、友達のガッチンが仕返しをされる時は自分が壁になってガッチンを守ると宣言します。
それなのに、実際にガッチンがやられているのを見たら足がすくみ、「他にも仲間がいるなら出てこい!」と言われても知らんふりをしてしまいました。
コペル君は仲間を見捨てた自分の卑怯さに衝撃を受け、自分なんて死んでしまった方がいいと思います。
そして学校にも行けなくなるのです。
しかし叔父さんの励ましで、仲間に謝罪の手紙を書きます。
お母さんはそんなコペル君に、女学生時代、思ったことを行動に移すことができなかった思い出を話してくれます。
そしてこの経験を忘れてはいけない、これからの長い人生で、きっと背中を押してくれるからと言ってくれます。
叔父さんのノートにはこう書いてあります。
僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから誤りを犯すこともある。
しかし
僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから、誤りから立ち直ることもできるのだ。
こうやってコペル君はいろいろな体験をし、大事な学びをしながら、前を向いて歩いていこうとするのです。
最後にこの本は問いかけます。
「君たちはどう生きるか。」
「君たちはどう生きるか」読書感想文書き方のまとめ
「君たちはどう生きるか」の読書感想文の書き方、だいたい分かりましたか?
もしかしたら、この記事を読んだ皆さんの中には、「これを読めば苦労しないで読書感想文が書ける!」と期待した人もいるかも知れませんね。
でも、まずはちゃんと自分で読んで考えることが大事ですよ。
人真似では何も生まれません。
内容の要点の整理のところにも、私が選んだ言葉を書いていますので、皆さんは違う言葉に心惹かれるかも知れません。
それでも、皆さんが「君たちはどう生きるか」の読書感想文を書くのに、ずいぶん助けになったのではないでしょうか?
それでは、皆さん、あなたの感性で「君たちはどう生きるか」を読み、あなただけの読書感想文を書いてくださいね。
応援しています!