旅する練習(乗代雄介)のあらすじと感想!ネタバレは?評判もチェック!

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乗代雄介さんの「旅する練習」が第164回芥川賞候補に選ばれました。

乗代雄介さんというと、1年前にも「最高の任務」が第162回芥川賞にノミネートされて話題になりました。

私は芥川賞候補ということで、特に期待もせずに「旅する練習」を読み始めましたが、予想を超えた大きな感動に浸っています。

今回は、第164回芥川賞候補になった「旅の練習」のあらすじと感想、ネタバレそして評判に迫ります。

著者、乗代雄大さんについては、こちらをお読みください。

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「旅する練習」のあらすじ

時は2020年3月。

新型コロナが人々の生活に影を落とし始めた頃です。

「私」は小説家で、人気(ひとけ)のない風景の描写を得意としています。

近くに住む姪の亜美(あび)はもうすぐ中学生。

亜美はサッカーが大好きというか、サッカーしか興味がない女の子。

コロナ禍で予定がなくなった春休み、「私」は亜美とアントラーズの本拠地、鹿島への旅に出ます。

利根川の堤防に沿って、亜美はサッカーボールを蹴りながら、「私」は執筆をしながら。

途中、みどりという女子大生と出会い、共に旅をすることになります。

この物語は、ずっと、「私」の日記の形で綴られています。



「旅する練習」の感想

「旅する練習」を読んだ私の感想は以下の通りです。

「旅する練習」について、全く知識を持たずに読み始めた私は、最初は特に心惹かれることもなく、「へえ、『私』は近所に住む人と思っていたら、亜美の叔父さんなのか。」とか、「瀧井孝作とか柳田國男とか出てきて、さすが乗代雄介さんだな。」などと思っていました。

しかし、旅の途中で、みどりという女子大生に出会い、3人の旅になってから、特に、一度二人の前から消えたみどりと再開した後から、ぐいぐいと話に引き込まれていきました。

まず、ジーコの言葉。

人生には絶対に忘れてはならない二つの大切な言葉がある。それは忍耐と記憶という言葉だ。忍耐という言葉を忘れない記憶が必要だということさ。

「私」のジーコに関する記述。

ジーコはテクニックで相手を翻弄する喜びを捨てて「自分は点を取ることで生きる」と決めて単純な練習に明け暮れた。

また、亜美とみどりが会話しながら、お互いが心を成長させていく姿がすばらしく、その言葉一つひとつによって自分を振り返ることができました。

大切なことに生きるのを合わせてみるよ、私も

そして、全く関係ないと思われることが一つにつながっていて、自分の人生が作られていく。

亜美の言葉。

あたし、カワウがサッカーに関係あるなんて思ってなかったし、てゆーかそもそもカワウのことなんて知らなかったけど、全然関係ないことなかったんだよ。あたしが本当にずっとサッカーについて考えてたら、カワウも何も、この世の全部がサッカーに関係があるようになっちゃう。(中略)そう思ったら、サッカーと出会ってなかったらって不思議に思えてきたの

最初から、乗代雄介さんはこれを言いたかったんですね。

柳田國男と真言とカワウとサッカー・・・ばらばらで何の関係もないと思えるものが、その人が一点を目指すときに繋がっていく。

すごいなあ。

逃げることさえ考えたことがなかったみどりも、自分の意志で歩こうとしている。

心に熱いものが広がります。

一読者の私も、ずっと彼らと一緒に旅をしていたい、そんな気持ちになります。

そして、読み終えても亜美が近くにいるような、そんな気分です。

読み始めた時は予想もしなかった、何か温かい涙が流れます。

小中学生にも大人にも読んで欲しい一冊です。



「旅する練習」のネタバレは?

「旅する練習」の著者、乗代雄介さんは学生時代からスポーツも好きで、サッカーもやっておられたようです。

また、ご自身が、鹿島アントラーズが好きだからこそ、今回、鹿島を目指す旅になり、そしてジーコの言葉や生き方を読者に紹介してくれています。

さて、「旅する練習」のネタバレにも触れておきたいのですが、ラストの衝撃については、ここでは具体的に書くのを控えます。

しかし、それを知ってから、この旅を思い返し、「私」の記述を読むと、文の端々に、そのことが暗示されています。

何とも言えない空虚さ。

えっ?!亜美、中学校に宿題の日記出したんだよね?

亜美、中学校でサッカー、やってるんだよね?

どうぞ、ご自分で「旅する練習」を最後まで読んでくださいね。

「旅する練習」の評判もチェック!

「旅する練習」は大変評判がいいようです。

読んだ人達は、「胸押す感動に浸される。」、「とてもよかった。」、「結末に触れて、一気によみがえる風景の鮮烈さは言葉にできない。」などのコメントを残しています。

ただ、「ちょっとキレイごとすぎるかな。」という意見もあります。

また結末に関しては、賛否両論ではありました。



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