皆
さん、こんにちは。
今年前半期の芥川賞の候補作が発表されましたね。
前回は石井遊佳さんと若竹千佐子さんのお二人が受賞されました。
特に若竹千佐子さんはデビュー作で受賞され、とても印象深かったです。
今回もデビュー作で候補に選ばれた方がおられます。
「美しい顔」の作者、北条裕子さんです。
今、北条裕子さんにも、作品「美しい顔」にも大きな注目が集まっています。
今回は北条裕子さんのプロフィールと経歴、結婚、元モデル説そして作品「美しい顔」についてお伝えしていきます。
石井遊佳さんと若竹千佐子さん、若竹さんの作品についてはこちらをご覧ください。
【追記】
6月29日、「美しい顔」は他の作品との類似表現があることが発覚し、作品が掲載された「群像」の出版元である講談社は次号で参考文献とおわびを掲載すると発表しました。
類似箇所があったのは石井光太さんの「遺体」、さらに被災者の生の体験を綴った「3・11 慟哭の記録」との類似表現も10数カ所見つかりました。
北条裕子のプロフィールと経歴について
それではまず北条裕子さんのプロフィールと経歴について見ていきたいと思います。
北条裕子さんは1985年10月4日、山梨県南アルプス市に生まれました。
現在32歳です。
南アルプス市は山梨県の最も西に位置する市で、南アルプスや八ヶ岳、富士山などを一望できる素晴らしい自然に恵まれたところです。
南アルプス市という名称は、一般公募で決まったそうです。
北条裕子さんは山梨学院高校を卒業後、青山学院大学に進みます。
大学入学時から現在まで東京都に住んでおられます。
小説家としては、今年、2018年に「美しい顔」でデビューしました。
そのデビュー作「美しい顔」が2018年4月に第61回群像新人文学賞を受賞します。
選考委員の方々もこの作品に心を奪われたようです。
そして作品は5月7日に発売された雑誌「群像」6 月号に掲載されました。
5月9日、講談社本社で第61回群像新人文学賞の贈呈式がありました。
以下はその時の北条裕子さんの言葉の一部です。
自分のことを(中略)相手には見せたくないけれども、どうしても出さずにはいられないというところがあった。けれどもそれを小説にすることで、出さずにはいられないものを出すことが出来るのだと気が付いたときに震えるほどの嬉しさがあった。
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う~ん、凡人ではない深さを感じますね。
きっと幼い頃から、自分の内面を深く見つめてこられた方なのだろうと思います。
そして6月18日、第159回芥川賞の候補作に選ばれました!
ちなみに、2014年に「花眼」で第54回中日詩賞を受賞された詩人の北条裕子さんとは同姓同名の別人だと思われます。
結婚は?
北条裕子さんの結婚について調べてみましたが、北条裕子さんはデビューしたての新人作家さんなのでまだ情報が少なく、結婚についての情報も探し出すことはできませんでした。
32歳という年齢なので、結婚されていてもおかしくはありませんでしたが、どっぷりと自分の世界に浸かり、内面をえぐる作品を書いておられるところからは、結婚の雰囲気は伝わりません。
これから大きな話題になる作家さんでしょうから、もし結婚について情報が分かりましたら、こちらに追記させていただきたいと思います。
元モデル説をリサーチ!
北条裕子さんはロングヘアの、とても綺麗な方です。
ネット上では、北条裕子さんは元モデルだったのではという噂があります。
あれだけお綺麗なら、モデルさんをされていてもおかしくはありません。
群像新人文学賞受賞や芥川賞ノミネートのニュースに出ている写真は、目が大きくて印象的です。
またカメラ視線のものは目力が強く、角度も決まっていて、他の人とは明らかに違います。
それで、本当に元モデルさんだったのではと思い、調べてみました。
そうしたらこのようなものが見つかりました。
うーん、これは、噂は本当かも知れませんね。
しかし、ご本人が元モデルだったとおっしゃっている訳ではないので、この写真の方が本当に同一人物かどうかは分かりません・・・。
このことも、これから北条裕子さんが益々話題になったら、分かってくることでしょうね。
出身大学と高校について
北条裕子さんの出身大学と高校については、上で述べたとおり、青山学院大学と山梨学院高校です。
青山学院大学は東京にある私立の大学で、キリスト教を教育の基本においた学校です。
青山学院大学と言えば、陸上競技部の箱根駅伝での活躍が有名ですよね。
また青山学院大学の出身者には歌手の桑田佳祐さんや槇原敬之さん、俳優の渡哲也さん、政治家の蓮舫さんなど著名な方々が多数おられます。
北条裕子さんは経済学部第二部経済学科で学ばれたそうです。
第二部というのは夜間に学ぶところですから、北条裕子さんは昼間、お仕事をされていた可能性が大きいですね。
それにしても経済学とは。
作家さんになられたのだから当然文学部だろうと思っちゃいますよね。
大学に入られた時は、別にやりたいことがおありだったのでしょうね。
それとも、小説も書きながら、これからもそのやりたいことをやっていかれる予定なのかも知れません。
ちなみに、第二部経済学科は2008年度から募集が停止されています。
北条裕子さんの出身高校、山梨学院高校はスポーツに力を入れている高校で、特にサッカー部や駅伝部が有名です。
2009年の全国高校サッカー選手権大会や2013年の全国高校駅伝で優勝しています。
山梨学院高校の出身者には著名なスポーツ選手が多数おられますが、今年の本屋大賞を受賞した作家の辻村深月さんも山梨学院高校の出身です。
辻村深月さんと受賞作「かがみの孤城」については、こちらをご覧ください。
https://flowerlove.jp/honya-taisyo
「美しい顔」について
この小説は2011年3月11日の東日本大震災からの17歳の女子高生の物語です。
巨大な津波により家は流され、幼い弟と避難所へ。
母親は行方不明、父親は五年前に亡くなっています。
テレビ局の取材がきっかけになり、避難所には支援物質が届くようになります。
「私」は可愛そうな少女を演じながら、心の中には怒りが渦巻き、どうしようもないどす黒いものが貯まっていきます。
「私」はどのように、その苦しみを克服していくのか・・・。
これは主人公を「私」という第一人称で書いた小説です。
しかし、作者の北条裕子さんは被災者ではなく、実は一度も被災地を訪れたことがないのだそうです。
北条裕子さんはこう語っておられます。
この小説は後ろめたさを引きずりながら書いたものだったが、それでも書かずにいられなかったのは、自分の中にある憤りのようなものの正体が何なのかを探す必要があったからだった。この小説は3・11を題材にしているが、そのものをテーマにしたものではなく、人が生きていく上で避けることが出来ない喪失体験とどう対峙し、乗り越えていくかを書くことが出来たと思っている。
引用元 https://dokushojin.com/article.html?i=3377
この作品は3.11自体を伝えるものではなく、苦しみや喪失と向き合った人間の内面を描いたものなのですね。
「美しい顔」が掲載されている「群像」6月号は今、入手困難になっています。
他の作品と類似表現?
実は、私がこの記事を書いた後に発表されたものですが、「美しい顔」の中の文章表現が、他の人の作品と類似点があったということです。
「群像」を発行している講談社は、おわび文を7月6日発売の最新号に掲載することにしたそうです。
このことが今ツイッターでも話題になっていますが、「北条裕子さんは大変不誠実。」という意見もあれば「ゴシップだけが一人歩きして、新人作家を潰すようなことはあって欲しくない。」という意見もあります。
芥川賞を主催する日本文学振興会は今、対応を検討中だということです。
第159回芥川賞の発表は7月18日(水)午後5時からとなっていますが、今後の行方は一体どうなるのでしょうか?