若竹千佐子さんの芥川賞受賞作「「おらおらでひとりいぐも」がドイツの文学賞「リベラトゥール賞」を受賞しました!!
日本人では初めての受賞だそうです。
すごいですね!
若竹千佐子さんは60代で書いた処女作でデビューし、それが芥川賞を受賞。
私も読みましたが、本当に感動しました。
今回は、そんな若竹千佐子さんの経歴や出身大学と高校、そして夫と子供についてお伝えします。
受賞作「おらおらでひとりいぐも」についてはこちらをご覧ください。
同時期に芥川賞にノミネートされ、先日、第32回ドゥマゴ文学賞を受賞した木村紅美さんについてはこちらをどうぞ。
若竹千佐子の経歴について
まず若竹千佐子さんの経歴をwiki風に紹介すると、以下のようになります。
1954(昭和29)年 岩手県遠野市に生まれる。現在63歳。
大学卒業後、教員となる。
27歳で結婚して以来専業主婦。
31歳から千葉に在住。
55歳で夫と死別し、その後、小説講座に通う。
2017年 処女作「おらおらでひとりいぐも」で第54回文藝賞、第158回芥川賞を受賞
2022年9月7日 同作でリベラトゥール賞を受賞
ずっと専業主婦をされていた方が初めての作品で芥川賞作家になるなんて、すごいことですよね。
若竹千佐子の出身大学と高校は?
次に若竹千佐子さんの出身大学と高校について見ていきましょう。
若竹千佐子さんの出身大学は岩手大学です。
岩手大学は国立の大学で、若竹千佐子さんは岩手大学の教育学部で学ばれました。
若竹千佐子さんの出身高校は岩手県立釜石南高校です。
若竹千佐子さんは31歳まで岩手県で暮らしておられました。
若竹さんは本を読むのが好きで、子どもの頃から小説家になりたいと思っていたそうですが、大学を卒業すると、岩手県内で臨採の教師を5年間続けられます。
若竹千佐子さんの夫と子どもについて
若竹千佐子さんの夫は、12年前に亡くなられました。
若竹千佐子さんは岩手で毎年教員採用試験を受けても合格せずに落ち込んでいた頃に夫と出会い、結婚されたそうです。
結婚後は専業主婦になり、子育てと家事に専念して、平和な家庭生活を送られたそうですが、55歳の時に夫と死別することになります。
愛する夫に先立たれ、深い悲しみに沈んでいる若竹千佐子さんを見て、息子さんが小説講座に行くのを勧めてくれたのだそうです。
あるところで、「長男が勧めてくれた。」と語っておられたので、子供は2人以上おられるようですね。
若竹千佐子さんは最愛の夫を亡くし、今までに経験したことのない深い悲しみを経験するのですが、同時に道が開けたのを感じました。
そしてそれから8年後に、処女作「おらおらでひとりいぐも」が誕生します。
著書「おらおらでひとりいぐも」について
今回リベラトゥール賞を受賞した「おらおらでひとりいぐも」は「玄冬小説」と呼ばれる部類に入ります。
「玄冬小説」とは青春小説の対極にあり、「年を取るのも悪くない。」と思えるような小説のことだそうです。
著書「おらおらでひとりいぐも」の主人公は、夫に先立たれ一人暮らしをしている74歳の桃子さんです。
桃子さんは、東北から上京して家庭を築き、愛する夫のために生きてきた女性です。
まさに若竹千佐子さんそのものです。
桃子さんは東京での生活の方が長いので、話すのも考えるのも東京の言葉になっていましたが、ある日突然、心の中で東北弁が炸裂します。
心の中の何人もの自分が軽快な東北弁でしゃべり、生について思考し、そして一人で生きていくことを肯定するのです。
文章の全てに若竹さん独特の表現がしてあり、その感性の高さに驚かされます。
私は読みながら、軽快で楽感的な東北弁に笑い、そこにある深い情感に涙しました。
最初「おらおらでひとりいぐも」という題名の意味がさっぱり分かりませんでしたが、途中で思い出しました。
宮沢賢治の「永訣の朝」という、雪の朝に亡くなっていく愛する妹を謳った詩の中にある言葉でした。そこには「Ora Orade Shitori egumo」とローマ字で書かれていますが。
これは「愛する者を失っても、自分は自分で一人生きていく!」という決心なのですね。
リベラトゥール賞とは?
今回、若竹千佐子さんが受賞されたリベラトゥール賞はドイツの文学賞で、前年にドイツ語に翻訳刊行されたアジア、アフリカ、ラテンアメリカ、アラブ地域の女性作家による作品に与えられます。
リベラトゥール賞は1987年に創設されましたが、日本人の受賞は若竹千佐子さんが初めてです。
本当に嬉しいことです。
まとめ
今回は、若竹千佐子さんの経歴や出身大学と高校、夫と子供、そして受賞作「おらおらでひとりいぐも」とリベラトゥール賞についてお伝えしました。
皆さんもぜひ「おらおらでひとりいぐも」を読んでみてください。
若い方だったら、自分のお母さんやおばあさんと、若竹さんと同世代以上の方だったら、自分と重なって、人生の意味を深く考えるきっかけになると思います。
63歳で輝き出した若竹千佐子さん。
今回の受賞は、多くの女性に大きな希望をもたらすことでしょう。