グレゴリー・ケズナジャットさんの「開墾地」が第168回芥川賞候補に
選ばれました。
グレゴリー・ケズナジャットさんはサウスカロライナ州の方ですが、もう15年ほど日本に住み、現在は法政大学の准教授をされている方です。
グレゴリー・ケズナジャットさんは日本語に魅了され、母国語ではない日本語で小説を書いておられます。
今回は、そんなグレゴリー・ケズナジャットさんの経歴とプロフィール、出身大学と高校そして芥川賞候補作「開墾地」のあらすじについてお伝えします。
グレゴリー・ケズナジャットの経歴とプロフィール
まず、グレゴリー・ケズナジャットさんの経歴とプロフィールについてお伝えします。
経歴
グレゴリー・ケズナジャットさんは1984年、アメリカ合衆国のサウスカロライナ州に生まれました。
グレゴリー・ケズナジャットさんの父親はイラン出身で、英語とペルシャ語を話すことができます。
グレゴリー・ケズナジャットさんは子供の頃、そんな父親に憧れていたそうです。
グレゴリー・ケズナジャットさんの育った町の近くにあるグリーンビルは当時、日本企業の誘致に熱心だったということもあり、グレゴリー・ケズナジャットさんは高校と大学で日本語を学ぶことになりました。
2007年、大学を卒業したグレゴリー・ケズナジャットさんは、ALT(外国語指導助手)として京都で過ごしましたが、契約が終了してからも帰国せずに同志社大学大学院に進みます。
よほど日本が好きになったのでしょうね。
グレゴリー・ケズナジャットさんは日本語の勉強のために日記をつけ始めました。
それがだんだんと発展して、ただの日記ではなく創作が混じったものとなっていきました。
そうやって生まれた「鴨川ランナー」が2021年に京都文学賞を受賞しました。
グレゴリー・ケズナジャットさんは難易度の高い日本語に興味を持ち、その後谷崎潤一郎の作品に出会ったことで、日本語で小説を書くようになられました。
グレゴリー・ケズナジャットさんは、母国語ではない日本語で書くことについて、以下のように述べておられます。
第2言語で書くと、言語への構えが変わる。使いなれた決まり文句を捨て、より誠実に言葉と向き合える
引用元
新たな “越境作家” グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』:「日本語と英語、“2人”の違う自分を生きる」京都市が2019年、新人作家の発掘を目指して創設した「京都文学賞」は、「海外部門」を設けて留学生をはじめ外国籍の人が日本語で書いた小説にも門戸を開く。21年春、満場一致で「海外部門」のみならず「一般部門」でも最優秀賞に選ばれたのは、米国出身...
そして、2022年12月、「開墾地」で第168回芥川賞にノミネートされました。
現在は法政大学グローバル教養学部の准教授をされています。
また、現在は東京在住です。
プロフィール
以下にグレゴリー・ケズナジャットさんのプロフィールをまとめておきます。
名前 グレゴリー・ケズナジャット
出身 アメリカ合衆国サウスカロライナ州
生年月日 1987年
年齢 35歳または36歳
2007年 外国語指導助手として来日
2017年 同志社大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期修了
2019年 青山学院大学地球社会共生学部及び文学部日本文学科非常勤講師に
現在 法政大学グローバル教養学部准教授
2021年 「鴨川ランナー」で第2回京都文学賞受賞
2022年12月 「開墾地」が第168回芥川賞候補に
グレゴリー・ケズナジャットの出身大学と高校
次にグレゴリー・ケズナジャットさんの出身大学と高校についてお伝えします。
グレゴリー・ケズナジャットさんの出身大学はクレムソン大学です。
クレムソン大学はレベルの高い教育を行っているので、アメリカ全土から入学者がいるそうです。
また、早稲田大学など日本の5つの大学との交換留学を行っています。
グレゴリー・ケズナジャットさんはクレムソン大学でコンピューター・サイエンスと英文学を専攻しながら日本語の勉強も続けました。
そして2007年に大学を卒業後、日本にやってきました。
グレゴリー・ケズナジャットさんの出身高校は故郷サウスカロライナ州にある高校で、その高校には日本語の授業がありました。
グレゴリー・ケズナジャットさんは高校で日本語に出会ったのがきっかけで、その後、日本語で小説を書くまでになられたのですね。
グレゴリー・ケズナジャットの「開墾地」のあらすじについて
最後に、今回、芥川賞候補となった「開墾地」のあらすじについて見てみたいと思います。
こちらは出版社である講談社の公式サイトから引用したものです。
何かを追いかけているのか、
それとも何かから逃げているのか。父のルーツの言葉、母語の檻、未知なる日本語
父と息子、故郷へのそれぞれの想いが静かに共振する留学先の日本から、サウスカロライナに帰郷したラッセル。
葛の繁茂した庭、南部ならではの湿気、耳に届く哀切な音楽――
青年は、遠くイランからこの地に根を下ろした父の来し方に想いを馳せる。デビュー作『鴨川ランナー』で、言語と自己のはざまの揺らぎを描き、
京都文学賞を受賞。越境文学の新たな領域をとらえる著者の、注目の最新刊。
故郷がサウスカロライナの主人公ラッセルは日本から故郷に帰り、イラン出身の父の今までの人生と母国語や第2国語について思いを馳せます。
グレゴリー・ケズナジャットさんご自身のことと深く重なりあった小説です。
単行本の発売は1月26日頃となっています。