今
度の芥川賞は1月16日(火)に決まります。
誰が受賞するのか楽しみです。
5人の作家さんがノミネートされていますが、その中に石井遊佳さんと言われる小説家がおられます。
石井さんは現在インドに住んでおられ、今回芥川賞候補になったという異色の方で、その作品「百年泥」はご自分のインドでの体験をもとに書いておられます。
今回はそんな石井遊佳さんについてお伝えします。
他の候補者についての記事はこちらです。
石井遊佳の経歴について
石井遊佳さんは1963年の11月に大阪府枚方市に誕生されました。現在53歳です。
実は現在インドのタミルナードゥ州チェンナイ市に住んでおられます。
石井遊佳さんは東京大学大学院人文社会系研究科インド哲学仏教学博士課程を満期退学されました。
東京大学の大学院なんて、すごく頭がいい方なんでしょうね。
小説は大学在学中から書いておられたそうです。
ちょうど日本はバブル期で、同級生の多くが大手企業への就職を決めていったのですが、石井遊佳さんは就職をしませんでした。
それは、小説を書きたかったからです。
しかし生活をするためにはお金を稼がなくてはいけません。それで、サラ金関係の会社や洋菓子職人、スナックのホステス、旅館の仲居など、様々な仕事をしながら小説を書き続けてこられたそうです。
その後、ネパールで日本語教師をされました。
そして現在は、インドのチェンナイで、やはり日本語教師をしながら小説を書いておられます。
これまでに100冊以上の著作がありますが、20年程前に文学界新人賞の最終候補に残ったことがあるだけで、なかなか光が当たりませんでした。
しかし昨年発表された「百年泥」で第49回新潮新人賞に輝きました。
さらに、第158回芥川賞候補になりました。
インドに住む理由とは?
石井遊佳さんは、なぜインドに住んでおられるのでしょうか?
それは夫が仕事の関係でインドに住むことになったので、彼女もインドに行かなければいけなくなったのだそうです。
夫が現地での面接の時、「妻は日本語教師の経験がある。」と言ったので、「では一緒に来てください。」ということになったそうです。
それで、3年前からインドに住んでおられます。
「自分は行きたくなかったんだけど。」とあるインタビューで話しておられました。
結婚もリサーチ!
石井遊佳さんの夫は、サンスクリット語の研究者です。
サンスクリット語というのは、古代インドの言語で、文学や哲学、宗教などの分野で広く用いられたものだそうです。
結婚の時期や経緯については、今回明らかにすることはできませんでしたが、石井遊佳さんは大学院時代にインドの哲学や仏教学を専攻しておられるので、そういう関係で出会われたのではないかと想像できます。
もし石井遊佳さんが芥川賞を受賞されたら、さらに詳しいことが分かることでしょう。
「自分はインドに行きたくなかった。」と話されていた石井さんですが、今回、候補になった「百年泥」は、インドでの実体験をもとに書かれていますので、「夫に感謝しなくちゃいけないかも。」とも言われています。
きっと、お互いのことを理解し合えている、仲の良いご夫婦なのでしょうね。
まとめ
石井さんは、「自分は飽きっぽい性格だけど、小説を書くことだけは続けてきた。」のだそうです。
そして「小説を書かなくなるということは人間を辞めることに等しい。」とまで言われています。
そこまで自分の好きなことに打ち込める人生ってすばらしいですね。
第158回芥川賞は1月16日に決まります。
石井さんは、今日もインドで日本語教師をがんばりながら、その日を待っておられることでしょう。