2023年の夏、直木賞作家、大島真寿美(おおしま ますみ)さんの小説「ピエタ」を小泉今日子さんが舞台化し、大きな話題になりました。
大島真寿美さんは初めて挑戦した時代小説「渦 妹背山女庭訓 魂結び」で直木賞を受賞された方です。
今回は、そんな大島真寿美さんのプロフィールと経歴、出身高校と大学、結婚、おすすめの本についてお伝えしていきます。
大島真寿美のプロフィールと経歴
まず、大島真寿美さんのプロフィールと経歴についてお伝えしていきます。
大島真寿美さんは 1962年9月19日、愛知県名古屋市で生まれました。
大島真寿美さんは小さい頃から本を読むのが大好きで、小学生の時はあかね書房の創作童話のシリーズがお気に入りだったそうです。
漫画もよく読んでいました。
誕生日に何か買ってあげると言われたら必ず「本!」と言っていたそうです。
そして子どもの頃から、何となく「自分は物を書く仕事に就くだろう。」と思っていました。
ある時、家族旅行の作文に、仏像のことを書いたら「これは親が書いたんだろう。」と先生に怒られたのだそうです。
それからはテクニックで先生の喜びそうなものを書くようになったとか(笑)
中学生になっても「将来は物書きになる。」という思いは変わりませんでした。
高校生になると、大島真寿美さんは脚本を書き始めます。
また高校生の時、高校の先輩で小説家の山田正紀さんが講演に来られた時、ある生徒が「作家になるにはどうしたらいいですか?」と質問したそうです。
その時、山田正紀さんは「新人賞に応募すればいいです。」と答えられました。
このことが後に大島真寿美さんが作家デビューをする大きな力になります。
その時質問した生徒は、まさかその質問が大島真寿美さんの人生に影響を与えたなんて思ってもいないでしょうね(笑)
大学に進学すると、前述のように人間関係科に進み、ドストエフスキーを研究したりしました。
1985年に劇団「垂直分布」を旗揚げし、脚本と演出を担当します。
しかし28歳くらいの時に、一人で物を書いたがいいかなと思い、小説家への転身を考えます。
その時、高校生の時に聞いた山田正紀さんの言葉を思い出し、新人賞への応募を始めました。
そして、1992年、「春の手品師」で第74回文學界新人賞受賞。
同年、「宙の家」がすばる文学賞最終候補に。そして単行本が刊行されます。
2012年、「ピエタ」で第9回本屋大賞第3位。
2014年、「あなたの本当の人生は」で第152回直木賞候補に。
そして、2019年、初めての時代小説「渦 妹背山女庭訓 魂結び」で第161回直木賞を受賞します。
読書は休憩時間や入浴中、地下鉄の中、たまには食事中にもされるとか。
やはり読書が大好きなんですね。
大島真寿美さんの小説は最初から筋があるわけではなく、キャラクターも勝手に立ち上がるんだそうです。
「自分が続きを読みたいから書いている。」と言われています(笑)
大島真寿美さんってすごい方ですね!
大島真寿美の出身高校と大学について
次に大島真寿美さんの出身高校と大学について見ていきたいと思います。
大島真寿美さんの出身高校は愛知県立昭和高校です。
昭和高校は愛知県名古屋市になる県立の高校で、卒業生の9割が四年制大学に進むという進学校です。
小説家の山田正紀さんも昭和高校の卒業生です。
大島真寿美さんの出身大学は南山短期大学です。
南山短期大学は愛知県名古屋市にある私立大学で、2011年に「南山大学短期大学部」と名前が変更されています。
大島真寿美さんは南山短期大学の人間関係科を卒業されています。
人間関係科ってとても珍しい学科ですが、体験学習によって人間関係能力の高い人材を育成することがねらいだったそうです。
しかし2001年に廃止になりました。
大島真寿美の結婚は?
大島真寿美さんの結婚について調べてみましたが、結婚についての情報は全く見いだすことができませんでした。
作品の中では登場人物の結婚についてはいろいろと書かれているのですが・・・。
それで、大島真寿美さんは結婚しておられないか、または結婚については非公開とされているかのどちらかだと思われます。
もし、今後、大島真寿美さんの結婚について何か分かりましたら、こちらに追記させていただきます。
大島真寿美のおすすめ本も紹介!
大島真寿美さんは30冊くらいの本を出版しておられます。
その中には映画になった「チョコリエッタ」やテレビドラマになった「ビターシュガー」もあります。
ここでは、大島真寿美さんのおすすめ本を5冊紹介したいと思います。
「宙の家」
1992年に出版。
大島真寿美さんが小説を書き始めた頃の作品で、第15回すばる文学賞の最終候補に残りました。
主人公の女子高生、雛子は、マンションの11階に住んでいます。
「宙の家(ソラノイエ)」というこの本のタイトルはここから来ています。
眠ってばかりいる雛子としっかり者の小学生の弟、ちょっとヒステリックな母、認知症気味の祖母、そんな家族の物語を通して、家族の在り方や生きること、死ぬことをゆるーく問いかけています。
「やがて目覚めない朝が来る」
タイトルが、誰にでも必ずやってくる「死」について静かに語りかけている感じで、思わず手に取ってしまう本です。
小学生の有加は両親が離婚し、父方の祖母の家に母親と一緒に住むことになります。
ちょっと不思議な家族関係の中で、主人公の有加が大人たちの日々を見つめます。
優しい視点で、どのように生きていきたいかを考えさせてくれます。
この本は2007年に刊行されました。
「ピエタ」
この本は2012年の本屋大賞で3位になりました。
舞台は、18世紀のヴェネツィア。
ピエタ慈善院で音楽の指導をしているのは、あの有名な音楽家、ヴィヴァルディです。
これは史実に基づいた本で、ヴィヴァルディを取り巻く女性達がその時代の中で懸命に慈悲深くそして美しく生きる様を描いています。
「ピエタ」には慈悲という意味があるそうです。
小泉今日子さんはこの小説を読み、「こういう作品を舞台にしたい」とずっと思ってきたそうです。
そして2023年夏にそれが実現しました。
すごいことですね。
「あなたの本当の人生は」
2014年に刊行され、第152回直木賞にノミネートされました。
大物作家だけど最近書けなくなったホリー先生とその秘書、宇城、そして憧れのホリー先生宅に弟子入り(という名のお手伝い)した真実。
「書く」ことを仕事にする3人の女性達は本当の人生を模索しながら生きています。
現実と幻想が入り混じったようなお話です。
「ツタよ、ツタ」
主人公、ツタは琉球の士族の娘として生まれます。
さまざまな運命に翻弄されながら、千紗子という新たな名前を得て「書くこと」で自分を解放していこうとします。
しかし彼女に待ち受けていたものは思いもよらぬ試練でした。
ツタとして生まれ、千紗子として生き、ツタとして死んで行く。
彼女はどう生きたかったのか。
この本は彼女に「ツタよ、ツタ」と問いかけます。
それは同時に私たちへの問いかけでもあります。