こんにちは。
柚月裕子さんの小説「孤狼の血」は2015年に刊行されて以来、大ヒットを飛ばし、柚月裕子さんのベストセラー作家としての地位を確立しました。
そして2018年に役所広司さん、松坂桃李さんらによって映画化され、またまた爆発的なヒットとなりました。
「孤狼の血」シリーズは2作目の「凶犬の眼」、3作目の「暴虎の牙」をもって完結しましたが、今年2020年は続編映画も作られるということ、まだまだ話題は絶えません。
そこで今回は、柚月裕子さんの小説「孤狼の血」のネタバレとラスト、登場人物について見ていきます。あらすじや映画の無料視聴についても触れますね。
著者、柚月裕子さんについてはこちらをご覧ください。
「孤狼の血」シリーズ2作目の「凶犬の眼」についてはこちらを。
「孤狼の血」シリーズ完結編の「暴虎の牙」についてはこちらをどうぞ。
また短編集「合理的にあり得ない」もおすすめです。
「孤狼の血」のネタバレ
まず「孤狼の血」のネタバレから書いていきます。
一番書きたいところなので。(笑)
もしまだ「孤狼の血」を読んでいないという方がおられたら、ネタバレは後で読んでくださいね。
孤狼とは大上のこと
孤狼、即ち孤独な狼とは言うまでもなく、呉原東署捜査2課主任 暴力団係班長の大上章吾のことです。
大上は警察の中で、誰にもへつらわず、自分の信念で捜査をします。
大上(おおがみ)→オオカミ。
「孤狼の血」著者の柚月裕子さんの遊び心ですね。
そして、孤狼の血は次の孤狼、日岡秀一に受け継がれていきます。
でも日岡は狼ではなく、「凶犬」になるんですけどね。
ついでに、「孤狼の血」シリーズ3作目の「暴虎の牙」の中心人物の名前は沖虎彦、そのまんまですね。(笑)
日岡はスパイだった
大上の部下になった日岡は、実は監察のスパイとして大上のところに送り込まれました。
内部の不祥事が表面化することを恐れた警察は、大上を犠牲にしようと考えたのです。
日岡は大上の行動記録をつけるように命じられていました。
大上はそのことを知っていたのかも知れませんが、それには触れず、日岡を鍛えていきます。
スパイとして動いていたはずの日岡はどんどん大上に感化され、大上の信念を継承する刑事へと変わっていくのです。
各章始めの行動記録の謎
「孤狼の血」は全部で13章ありますが、それぞれの始まりに行動記録がついています。
そこを読むとその章の概要が分かるのですが、その中に必ず「ーーーー」としてある行があり、「一行削除」とか「二行削除」とか書いてあります。
これはネタバレになるから、読者のためにそうしてあるのかなと思っていました。
しかし最後になって、その意味が分かります。
「なんだ、これは!この黒い部分はいったいなんだ!」
これは、大上が亡くなった後、日岡が大上の行動記録を差し出した時の元上司の言葉です。
日岡は大上を守るために、上司に見られたら都合の悪いところを削除したのです。
日岡はたいした人物ですね。
大上の立派な2代目になっています。
プロローグとエピローグのつながり
プロローグとエピローグにはどちらにも、これから一斉捜査に乗り出そうとする警察署内の様子が描かれています。
プロローグで、部下から「班長」と呼ばれる不敵な刑事は大上だと思っていましたが、エピローグを読んで、これは年月を経て中年になった日岡なのだと分かりました。
エピローグでは、大上からみっちりと仕込まれ、その教えに従って刑事を続けてきた日岡が、今度は若い刑事にそれを受け渡すところが描かれています。
「孤狼の血」のラストは?
「孤狼の血」のラストについても書いておきます。
大上は一人で五十子会の事務所に乗り込みます。
「万が一の時は…日岡、頼む」と言い残して。
その後、大上と連絡が取れなくなります。
そして5日後、大上の遺体が埠頭に上がりました。
警察は大上の捜査をしなかったばかりか、酔って海に落ち溺死したということにしました。
しかし真実は五十子に殺されたのでした。
日岡は大上から現金二千万円と大学ノート1冊を受け取っていました。
そのノートには、大上が知り得た警察の不祥事や上層部の秘密が綴られていました。
日岡の元上司、嵯峨がホステスと関係を持ち、子供を堕ろさせたことまで書いてありました。
「嵯峨さん。俺が持っとるネタは、まだ仰山ありますがのう…。手を出したら、広島県警は火傷しますよ。」
ラストでの日岡の言葉、めちゃくちゃかっこいいですね!
日岡は後ろ手にドアを閉め、元上司の部屋を出て行きます。
日岡はその翌年、平成元年に派出所へ左遷されました。
平成3年、大上と同じ巡査部長に昇進。
そして平成16年、かつて大上と仕事をした呉原東署刑事課暴力団係に戻ってくるのです。
それが、プロローグとエピローグに描かれている日岡の姿です。
「孤狼の血」の登場人物について
OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像
それでは、「孤狼の血」の主な登場人物について整理しておきたいと思います。
大上章吾
呉原東署捜査2課主任 暴力団係班長、44歳です。
トレードマークはパナマ帽。
自分の信念で仕事をする大上はヤクザからも一目置かれ慕われています。
「わしは捜査のためなら、悪魔にでも魂を売り渡す男じゃ」という大上の言葉がそれを表しています。
また、大上は過去に妻と子供を交通事故で失っています。
しかし真相には五十子会が絡んでいるようです。
日岡秀一
大上の部下として行動を共にするうちに、大上に感化され、言うこともやることも大上に似てきます。
日岡は国立の広島大学を卒業しましたが、会社に就職して家庭を持つという平凡な人生は嫌だと思い、警察官になりました。
秀一という名前は大上の亡くなった息子と同じでした。
大上はそのことで、きっと日岡に特別の思い入れがあったのだと思われます。
晶子
晶子は小料理や「志乃」の女将です。
大上は「志乃」の常連客です。
ただの常連ではなく、晶子は大上のことをよく分かっていて、大上の捜査にも協力します。
五十子正平
五十子正平は加古村組や瀧井組を傘下におさめる巨大組織、五十子会の会長です。
大上の妻と子の死に関わっていると思われています。
五十子は、加古村組を利用して尾谷組を挑発し、抗争に発展させて尾谷組の縄張りを奪おうと企んでいました。
大上は抗争を止めるために五十子のところへ行きますが、五十子に殺されます。
しかしその後、五十子は、瀧井の手引きで一之瀬に殺害されました。
瀧井銀次
瀧井銀次は瀧井組の組長で、大上とは子供の頃からの喧嘩仲間でした。
瀧井は大上のことを「章ちゃん」と呼び、大上に情報提供もします。
大上が五十子のところに行ったことを知った時は「もしものことが章ちゃんにあったら、わしも腹ァ括る。」と言います。
一之瀬守孝
一之瀬は五十子会や瀧井組とは敵対関係にある尾谷組の若頭です。
尾谷組の組長、尾谷憲次が服役中の間、組長に代わって尾谷組を率いていましたが、五十子を殺害し、日岡に現行犯逮捕されます。
「孤狼の血」のあらすじ
では最後にあらすじを簡単におさらいしておきましょう。
「孤狼の血」の舞台は昭和63年の広島です。
呉原東署に赴任してきた新人刑事の日岡秀一は捜査二課に配属され、暴力団係班長、大上章吾の部下となります。
大上はヤクザとの癒着を噂されている刑事です。
日岡は捜査のためには手段を選ばず違法行為を繰り返す大上のやり方に疑問を感じながらも、だんだんとそんな大上に感化されていきます。
暴力団同士の抗争に市民を巻き込みたくない大上は、大胆な行動に出ます。
日岡はそんな中、極道の世界に通じる大上と同じような刑事になっていくのです。
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まとめ
今回は映画にもなり、大ヒットした柚月裕子さんの「孤狼の血」のネタバレとラスト、登場人物、あらすじについてお伝えしました。
いかがでしたか?
美人で2人のお子さんの柚月裕子さんがこんな小説を書かれることが驚きですよね!