川上未映子さんの「へヴン」がブッカー国際賞の最終候補作に
選ばれました!
ブッカー賞はイギリスの最も権威ある文学賞の一つで、ブッカー国際賞はその翻訳部門です。
2022年4月7日にこのニュースが入って以来、大きな注目を浴びている川上未映子さんですが、現在はどのようなことをされているのでしょうか?
今回は、川上未映子さんの現在、作品の映画化、名言、そして英語力についてもお伝えします。
川上未映子さんの生い立ちや経歴についてはこちらをご覧ください。
ブッカー国際賞の最終候補作になった「へヴン」については、こちらをどうぞ。
川上未映子の現在
2022年4月7日に著書「へヴン」がブッカー国際賞の最終候補に選ばれた川上未映子さん。
それから1週間が経とうとしていますが、現在の川上未映子さんについてお伝えします。
川上未映子さんはブッカー国際賞の最終候補入りで、現在注目を浴びていて、益々忙しくされています。
候補作の「へヴン」は書店で売り切れ続出中のようです。
川上未映子さんのTwitterに、このように書かれていました。
『ヘヴン』の英ブッカー賞最終候補入りもあって、たくさんの反響をいただきまして、このたび大部の重版になりました、ありがとうございます。色んなオンライン書店で在庫切れらしいのですが、じきに戻りますので、なにとぞよろしくお願いします。おれは疲れてもう目みえへん、もうねるみんなようおやす pic.twitter.com/Q5A3PItuwC
— 川上未映子 Mieko Kawakami (@mieko_kawakami) April 12, 2022
また、2022年3月には、最新作「春のこわいもの」が刊行されました。
本屋大賞にノミネートされ、海外でもベストセラーになった「夏物語」から2年半ぶりです。
これは、新型コロナウイルス感染によるパンデミックが起こる直前の東京を舞台とした短篇集です。
「春のこわいもの」も、現在大きな話題で、高く評価されています。
また、川上未映子さんが翻訳した「ピーターラビット」シリーズの刊行が始まりました。
すごいです!!
川上未映子さんは新訳版の刊行によせて、こう語られています。
贅沢な時間を過ごしています。瞬きを忘れるような絵の繊細さ、つよさ、ポターがその観察と描写とにかけた思いが、すべての文章、すべてのページから迫ってきます。たまらないのは、美しく、たくらみのある音とリズムをどう再現するのか。このユニーク極まりない住人たちの物語と絵の響きあいを、どんなふうに表現するのか。ああでもない、こうでもないと考えながら、しかし楽しくてなりません。言葉のひとつひとつ、声と音の流れ、色と線のすみずみまでをあじわいながら、しっかりやっていきたいと思います
引用元https://www.hayakawabooks.com/n/n4cb63d6e1369#2cc22650-ae74-4609-ab27-3f8723f44570
加えて、現在、読売新聞で長編小説「黄色い家」を連載中。
その他にも様々な活動を精力的にこなしておられます。
こんなツイートも見つけました。
5月に英訳が刊行される『すべて真夜中の恋人たち』のサイン本を作成しました。3600冊ぶんで8時間。たくさんの読者のみなさんに出会えるのを願って… pic.twitter.com/GdTVyVGqaz
— 川上未映子 Mieko Kawakami (@mieko_kawakami) April 7, 2022
川上未映子さんはすごすぎるし、美人だし、しっかりとしたご自分の考えと言葉を持っておられて、そして弱い者の視点からものを考えることのできる、尊敬すべき人です。
しかも家では10歳の子供を持つ母親です!
川上未映子作品の映画化はある?
川上未映子さんの小説の映画化は残念ながら、まだありません。
でも「へヴン」がブッカー国際賞の最終選考に残り、今、とても話題になっていますから、そのうちに映画化されるかも知れませんね。
でも、「ヘブン」が映画化されたら、かなりショッキングな映像が流れることになるでしょうね。
悲惨ないじめのシーン、汚れたコジマの容姿、そして、終わり方のくじら公園のシーンなどなど。
それを見るのに絶えられるかどうかは分かりません・・・。
だけど、最後の並木道の光り輝くシーンは見てみたいものです。
どんなに美しい映像になることでしょう。
また、芥川賞を受賞した「乳と卵」(ちちとらん)や2020年本屋大賞にノミネートされた「夏物語」も映画化に向いているのではと思います。
同じ「夏物語」というタイトルで、イタリア映画(1958年)とフランス映画(1996年)がありますが、これは全く関係のないものです。
「夏物語」は「ヘブン」同様、海外での評価も高く、2020年に英訳も刊行されました。
川上未映子さんの作品の映画化ではありませんが、川上未映子さんは太宰治の小説「パンドラの匣」が2009年に映画化された時、何とヒロイン役で登場しておられます。
芥川賞作家が女優デビューだなんてびっくりですね!
また、2010年公開のアニメ映画「緑子MIDORI-KO」では、な、な、なんと、川上未映子さんがエンディングテーマ曲「麒麟児の世界」を作詞、作曲し、歌も歌っておられるんです。
川上未映子さん、もう多才過ぎて驚きです。
川上未映子の名言
川上未映子さんは、いろいろな場面で、聞いた人が自分を見つめ直す、あるいは前に進むことのできるような言葉をたくさん発しておられます。
それは名言と呼ぶにふさわしいものです。
川上未映子さんの印象深い名言をいくつかご紹介します。
あのときここまで考えたから後悔しないしできない、というところまでたくさん考えることです。自尊心を持つためには、周囲に流されず、大事なことは誰かに決めさせない。これはすべての選択の基盤になるものです
引用元https://www.harpersbazaar.com/jp/lifestyle/womens-life/a34626259/celebrate-your-own-life-210314-hbr/
人から決められた抑圧だったり、打算のみで行動していたら、うまくいってるうちは良いよ? でももしそれがだめになったとき、納得できないじゃない。でも、そのときに「あのときあれを選んだ自分は心底考えた」と思えれば、後悔のしようがない。それが私は本当の意味でのキャリアだと思う。どこで働いたとか、どういう賞を取ったとか、それは人が与えてくれるその時々の状況でしかなくって、本当のキャリアっていうのは、自分がそのことに対してどれだけ本当に考えたか。それしか残らないものなんだよ。
若い時はもちろん、いくつになってもそういうものに、言葉に、触れ続けることがすごく大事なんです。言葉が自分の力になってくれるの。だから、若い人たちに思うのは、見せかけの言葉にどうか騙されないでほしいということ。
うちでは、性別で決められる役割はないし、なんらかの性であるだけで、偉いとか、こうだとか、あるいはとくべつだということはないよ、と伝えています。
親の生き方は、子どもにとって基盤になります。子どもは、空気を読み、空気から多くを学びます。難しいと思うけれど、どこかで変わらなければダメ。まずは、自分は何に苦しんでいるのかを言語化することが大切だと思います。
引用元 https://otekomachi.yomiuri.co.jp/lifestyle/20220317-OKT8T338962/
新しいこととの出会いは、すべてご縁次第ですね。ただ、選択肢のうち、苦しいほうを選ぶことが鉄則です。これは難しいだろうな、大変だろうな、じゃあやろう、と。それをつづけていくしかないのかな、と思っています。
引用元 https://otekomachi.yomiuri.co.jp/lifestyle/20220317-OKT8T338962/
川上未映子さんの、作品中にも印象深い名言がたくさんあります。
下は「へヴン」からの抜粋です。
弱いからって
それは悪いことじゃないもの。わたしたちは弱いかもしれないけれど、でもこの弱さはとても意味のある弱さだもの。
川上未映子の英語力も調査
最後に川上未映子さんの英語力についてお伝えします。
上で書いたように、川上未映子さんは「ピーターラビット」の翻訳をされるくらいですから、相当の英語力をお持ちです。
また、アメリカの人気歌手、ノラ・ジョーンズのアルバム「Day Breaks」の日本盤の歌詞対訳は全曲、川上未映子さんがされています。
すごいですよね!
でも、川上未映子さんは大学で英文学を専門にされた訳ではありません。
川上未映子さんの出身高校は大阪市立工芸高等学校です。
そこでデザインを勉強されました。
出身大学は日本大学通信教育部です。
これは日本大学の通信制大学で、川上未映子さんはここの文理学部哲学専攻科を卒業されています。
ですから、特に英語を学んだ訳ではありません。
川上未映子さんの小説は海外でも高い評価を受け、英語に翻訳されているので、翻訳者と話す必要もあるし、海外との接点が多くなっていったのだろうと思います。
でも、それだけで翻訳ができるくらいの英語力に、普通はなりませんが、川上未映子さんは若い頃から努力家で何でもこなし、全てを一生懸命にがんばってきた方なので、英語力が必要となれば、それを獲得することができたのだろうと思います。
それに、やっぱりもともと天才なのでしょうね。
すごすぎます・・・。