木村紅美さんの「あなたに安全な人」が第32回ドゥマゴ文学賞を受賞しました!
木村紅美さんはご自身のTwitterで、その喜びを表現されていて、選考委員ロバート・キャンベルさんの選評にとても感激されています。
木村紅美さんは芥川賞に2度ノミネートされ、候補作「雪子さんの足音」は映画にもなりましたよね。
今回は、そんな木村紅美さんの経歴と芥川賞、ドゥマゴ文学賞について、また結婚や出身大学と高校についてもお伝えします。
木村紅美さんの2度目の芥川賞ノミネートの時には同じ東北出身の若竹千佐子さんが芥川賞を受賞されました。
木村紅美の経歴について
まず、木村紅美さんの経歴についてお伝えします。
木村紅美さんは、1976年1月5日、兵庫県尼崎市に生まれました。
年齢は46歳です。(2022年9月現在)
その後、お父さんのお仕事の関係で、神奈川県横浜市、東京都杉並区、福岡県福岡市、千葉県千葉市と、引っ越しを繰り返し、小学6年生の途中から高校卒業までを宮城県仙台市で過ごされます。
明治学院大学で文学を学び、大学卒業後は、書店でのアルバイトや会社員などをされていました。ヴィレッジヴァンガード下北沢店でも働いておられたようです。
木村紅美さんは2006年に「風化する女」で第102回文學界新人賞を受賞し、作家としてデビューされました。
2008年には「月食の日」で第139回芥川賞候補に
なりますが、惜しくも受賞には至りませんでした。
2013年には、「夜の隅のアトリエ」で第35回野間文芸新人賞候補に。
そして2017年、「雪子さんの足音」で第158回芥川賞候補になります。
木村紅美さんにとって2回目の芥川賞候補です。
現在、ご両親は岩手県の盛岡市にお住まいのようです。
芥川賞について
芥川賞、正式には芥川龍之介賞は、純文学の新人に与えられる賞で、文藝春秋社内の日本文学振興会によって選考が行われます。
創設者は菊池寛で、1935年に始まり、以降年に2回発表されます。
そして直木賞(正式には直木三十五賞)も同時に創設されました。
芥川賞も直木賞も公募ではなく、その期間に雑誌に掲載(直木賞は書籍として出版)された作品の中から選考委員が選びます。
上半期は前年12月から5月までに刊行されたもの、下半期は6月から11月に刊行されたものが対象です。
芥川賞の受賞作は、「文藝春秋」に全文が掲載されます。
芥川賞と直木賞の違いは、芥川賞は新進作家による純文学であるのに対して、直木賞は新進か中堅の作家によるエンターテインメント作品が対象なのだそうです。
過去の芥川賞受賞者は遠藤周作さん(1955年上「白い人」)、石原慎太郎さん(1955年下「「太陽の季節」)、庄司薫さん (1969年「赤頭巾ちゃん気をつけて」)、池田満寿夫さん(1977年「エーゲ海に捧ぐ」)、綿矢りささん( 2003年「蹴りたい背中」)、又吉直樹さん( 2015年「火花」)などがいらっしゃいます。
特に19歳という最年少での綿矢りささんやあの又吉さんの受賞はとても大きな話題になりましたね。
今年2022年上半期の芥川賞には高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」が選ばれました。
ドゥマゴ文学賞とは?
ドゥマゴ文学賞とは、Bunkamuraが主催する文学賞で、正式には
「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」という名前です。
Bunkamuraドゥマゴ文学賞について、Bunkamuraのホームページより引用させていただきます。
パリの「ドゥマゴ文学賞」(1933年創設)のもつ先進性と独創性を受け継ぎ、既成の概念にとらわれることなく、常に新しい才能を認め、発掘に寄与したいと1990年に創設されました。
引用元 https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/about/
受賞作は、一人の選考委員によって選ばれるというのがBunkamuraドゥマゴ文学賞の大きな特徴です。
そして今回の選考委員を務めたのがロバート・キャンベルさんでした。
その選評の一部を紹介しておきますね。
小説を読みながら、わたくしは今生きなければならない社会のプレカリティ(precarity. 漠とした不安定さ)とも言える不穏な足どりがかいま見えた気がした。富める者も富めない者も、直面しなければならない社会の病理を基底から清潔に、かつ稠密に配置したフィクションの上から、指で触れ、感覚として追体験できる一冊である。けっして結ばれることのない他者同士の打算と孤独と生きる一種の才能は、行間にあふれ、混ざった色として目の前に現れるのであった。
引用元https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/32.html
木村紅美の結婚は?
残念ながら、木村紅美さんの結婚についての情報は手に入れることができませんでした。
しかし、ご自身のツイッターの中に「一人暮らし」という表現があるので、結婚はされていないのではないかと思われます。
木村紅美の出身大学と高校について
それでは、木村紅美さんの出身大学と高校についてお伝えします。
木村紅美さんの出身大学は明治学院大学です。
明治学院大学の文学部芸術学科で学ばれました。
木村紅美さんは大学在学中、有名な比較文学者であり、明治学院大学で教授をされていた四方田犬彦氏に師事されました。
四方田犬彦氏は映画や漫画にも精通しておられる方なので、きっとここで、その後の活躍につながる広い視野を培われたのではないでしょうか。
出身高校は宮城県仙台向山高等学校です。
木村紅美さんは、高校では文芸愛好会に所属しておられ、その時のなかまとは今も交流があるそうです。
木村紅美さんは、高校時代から短編小説を定期的に書いておられ、その価値観や世界観は同級生からも高く評価されていたということです。
まとめ
木村紅美さんはツイッターをされていますが、それがとても面白くて、ついつい見入ってしまいます。
表現が楽しいだけでなく、沖縄のことや東北のこと、労働問題など、そこに生きている人々の立場に立った話題をリツイートしてくださっているので、深く考えさせられます。
本当に読み甲斐がありますので、私はフォロワーになりました。
声高にではなく、理解し合うことや人とのつながりを大切にされる木村紅美さん。
ドゥマゴ文学賞の受賞、おめでとうございました!