前回少し触れましたが、昨年の地震でたくさんのものが壊れました。
屋根の瓦はほとんど落ち、家の中のたんすやテーブルなども倒れて壊れました。
食器棚の食器も半分以上が崩れ落ちました。
それで私は、必要ないものはなるべく置かないようにしようと決めました。
食器も普段用、お客様用と分けるのは意味がないと気づきました。だって、お気に入りの食器を大事にとっておいて、来客の時だけ出すのはとてももったいないし、せっかく買ったのに、出されることも楽しまれることもなく、地震が来たら壊れてしまうんですから。
不思議なことに、どうでもいいものは残って、高いものは壊れてしまいました。
それならば、自分の好きな食器に普段の料理を盛って、美味しく楽しくいただいた方がずっと気持ちいいくらしができます。
私の好きな器たち
家から車で20分くらいのところに、私の大好きな窯元があります。
私よりちょっと年上の女性がお一人でされているところです。
土色の器に繊細なタッチで野の花々が描かれているんです。
そこの名前は「工房陶りゃんせ」。名前もすてきです。
作品が並んだアトリエ兼お店に入ると、花好きの私は本当に幸せな気持ちで満たされます。
知人の結婚や就職などのお祝いに、娘の結婚祝いのお返しに、ちょっとしたご挨拶に、私はいつもそこから選びます。
そして自分にも、とコーヒーカップを買ったり・・・。
そんなに高くなく、私にも買えるくらいの値段なんです。
ひな祭りや端午の節句が近づくと、可愛らしい置物も造られ
ます。
娘が外国にホームステイする時は、おひな様の可
愛い壁掛けをお土産に持って行き、とても喜ばれました。
「退職したら、家の食器を全部ここので揃えたい!」
そんな夢がありました。
私の毎日を幸せにしてくれます
1年半前に退職した時、重大な事実に気がつきました。
それは退職金はもらったのですが、夫も私も、まだ年金をもらえる年齢ではなく、無収入になったということです。
5年間は、貯金を切り崩していくしかありません。
だから、食器を全部揃えるのはちょっとできません・・・。
でも、地震で壊れたものの補充にこちらのものを買いました。
コーヒーを飲むとき、食事のとき、大好きな器がいい気分にしてくれます。
夫は何に入れても味は変わらないと言いますが、そんなことはありません。
味そのものと見た目とその場の雰囲気、ともに食卓を囲む人との会話、そういうものが混ざり合って、私に美味しさを感じさせてくれると思うのです。
お漬け物も梅干しも果物も、お気に入りのお皿に置くだけで、私を幸せにしてくれます。